76食目 ストーカー

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すぐさま通報し調べた結果、二人ともマンションの高層階にあった彼女の部屋から飛び降りによる即死………。 特に彼女は顔から落ちたらしく、顔の原型が留めていなかったそうだ。 そしてこれは後から分かったのだが、実はあの警察官は偽物で彼女のストーカーだったそうだ。 「じゃあ、俺が見てたのは………」 「幽霊の中にもな自分が死んだのに気づかずに、いつも同じ行動を繰り返す奴もいれば、中には同じ目に合わせたくて波長が合った奴を引きずり込もうとして来る奴もいるんだよ お前はたまたま波長があって、俺が気づかなかったら数日後にはこのマンションから彼女と同じように飛び降りてたぜ」 飯田の言葉に思わずゾッとする俺。 とにかく帰ろうと管理人さんに礼を言って、マンションを出ると不意に飯田が足を止めマンションを見上げた。 「見ろよ、あれが今の彼女の姿だぜ」 顔を上げるとマンションの高層階に彼女はいた。 タイトスカートから伸びるスラリとした足、ピンと伸びた背筋………だけどその顔は原型をとどめていないほどグチャグチャで、歯がむきだしで目玉が落ちていて俺は慌ててその場から逃げ出した。 それからしばらくはあの会社の前を通るのを避けたけれど、何の因果かまさかの就職試験で合格してしまい勤め人となった。 飯田も同じ会社に就職し、時折からかわれたりするけれど今は俺にも彼女が出来たから忘れてほしい。 俺の今の彼女、すっごい美人なんだぜ? 髪は綺麗だし目はパッチリで身体はグラマラス美女!!! だけど、いつも首に太いチョーカー巻いており取ったところを見たことがない………。 今度飯田に紹介してやるか。
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