第一章 -6- 罪と罰

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 眠りについた神々に、恩寵という名の呪いを与えられた孤高の天使。 「十二の神の恩寵を受けたアルヴェリアは、寂しかっただろうな……」  己に問いかけるように、小さくラグナが呟いた。  ラキエルはその声を聞き届けたが、アルヴェリアを名でしか知らないラキエルに答えは返せない。ラグナもラキエルの返事など期待していないのか、再び唇を動かした。 「――なぁ、アルヴェリアを探そうぜ」  ラグナの言葉を最後に、空から声が消えた。
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