第二章 -9- 命の巫女

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 彼女が七日以上の数字を出したなら、ラグナの予想は外れる。長々と寝ぼけていたとしたら、それは自分で自分を殴ってやりたい事態だ。  しかし、もしも三日以下だった場合、それは――。 「半日ほどですよ。お連れの方は、少しだけ意識があったのですが……よほど疲れていたのでしょう。今も深く眠ってます」 「そっか。半日ね……」  ラキエルよりも先に意識を失ったため、地上に落ちてからどれほどの時間が経ったのか分からない。だが、ラグナほどではないとはいえ、ラキエルもかなりの傷を負っていた。彼がラグナを連れて何日も歩き続けられるわけがない。恐らく、ラグナが意識を失ってから一日も経っていないはずだ。  ならば問題は、どうしてこの場所にいるか、ではない。  どうして傷が癒えているのか、だ。  もしかしたら、先ほど感じた強い魔力と関係あるのかもしれない。 「あの、お体の具合はどうですか? 大分出血されていたので……」  どこか申し訳無さそうに、シシリアはラグナの容態を尋ねる。確かにラグナは大量の血を流した。けれど傷が癒えた以上、今は本来持っている再生能力が、失われた血を作り出しているだろう。その程度ならば、一日でもすれば元通りになる。     
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