第一章 -4- 自由の翼

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 ラグナが神殿にいるので、サリエルは神殿の近くのどこかにいると聞いていた。けれどまさかこのような形で会う事になるとは予期せず、ラキエルは女神を穴が開くほど見つめた。  女神の姿がこんなにも幼げな娘だとは思わず、呆然とする。  そんなラキエルに微笑んで、サリエルは申し訳無さそうに小首を傾げた。 『驚かせてしまったようですね……。わたくしは貴方の事をずっと前から知っていました。アルヴェリアと同じ瞳を持つが故の不遇も、滅びの女神の呪いの事も。助けてあげたかったけど、わたくしに貴方を救う力がなかった……。ごめんなさい』  サリエルに非などないのに、女神はまるで己が罪を犯したかのように謝罪の言葉を述べた。  ラキエルは慌てて首を振って、床に方膝をつき、恐れ多いとばかりに頭を垂れる。すぐそばでラグナが呆れたように笑ったが、ラキエルはそれを無視した。 「いいえ……。でも、何故ラグナだけでなく俺も助けてくださったのですか?」  先程の金色の光の介入は、サリエルの力だったようだ。  女神の愛で子ラグナの危機にサリエルが動いたのは理解できるが、何故ラキエルまで助けたのだろうか。それが気に掛かり、女神に問いかける。  サリエルはふんわりと優しい眼差しをラキエルに向けた。     
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