第一章 -4- 自由の翼

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 このような状況でも余裕ぶった笑みを浮かべるラグナは、橋の途切れた先を指差した。 「あれが地上と天上を結ぶ、時空の門だ」  細く長い橋の終わりの先には、巨大な門が存在していた。空間が歪みを生じて、朝と夜が交わっているような不思議な色合いの空が覗く門。小さな祠の上で、それは存在していた。  少しずつ確実に門へ近づき、それと同時に背後より迫る矢が近くなってきている。  門さえくぐってしまえば、解放される。  少しでも早く、前へ。  生きるため、自由を手にするための翼を広げて、二人は門を目指し飛んだ。
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