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あらましを伝え終わった。
「成る程、大体の概要はわかりました。作郎よろしい?」
執事氏がいつのまにか控えており、ノートパソコンになにやら打ち込んでいる。
「ご紹介が遅れました。当寺の寺男をしております、梶本です」
「寺男と言うのは不本意ですが。・・・梶本作郎です」
言いつつもタイピングを続けている。
「宝石店は当時は営業中だった様ですね。繁華街からは外れていますが、深夜でも水商売関連の来客が多いようです」
さくろう、さんと言ったか。もしや彼が探偵役なのだろうか。
「来店者もいたでしょうから、ターゲットを絞るには情報不足ですね」
「でしたらやはり」まゆりさんが続ける。
「他力本願しかありませんね」
またこれだ。
この人はふざけているのだろうか。だが本人は至って大真面目な表情で、
「では、参りましょう」
と、凛として立ち上がった。
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