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暇つぶし
少しの時間が空いちゃって、暇をつぶさないといけなくなったとき、みんなだったら何をする?
常人なら、読書したり携帯ゲームに没頭したり、だいたいそんな感じだろう。ネットサーフィンしたり、好きな子と連絡とったりする人もいるのかな……?
だが僕は違う。
サイコパスは、人を殺す練習をする。
目の前のテーブルで、ふたりの女の子が携帯をいじりながらおしゃべりをしている。
場所は大学内の食堂。日も落ち夜遅いから、周りに人はそんないない。
僕と目の前の女の子ふたり。あとは少し離れたところに男の子が4人いる程度。
僕はどっちの女の子を殺そうか、考えてみた。
左の女の子は知らない子。たまに校内で見かけるが、別に全然知らない女の子。
それとは逆に、右の女の子は知っている。たしか去年だかに同じ講義をとっていて少し話したことがある。
でも今は全く話さない。向こうもこっちを意識していないし、見かけても挨拶すら交わさない。
サイコパスは、イメージしてみた。
もし左の子を殺すとしたら、もし右の子を殺すとしたら、それとも両方殺すというのも悪くはない。
どちらか一方を殺したら、もう片方はどんな反応を示してくれるんだろうか。
悲しい表情を見せてくれるのかな、それともびっくりするのかな。怒られることはないよね……
サイコパスは、あらゆる状況をイメージする。
どの子を選び、どんな方法で、どう殺すべきか。
考えに考え抜いた結果、行動に移すべきだと僕は思う。
行動には責任が伴う。そのことを僕は知っているからね。
ベストな獲物を狙い、ベストな方法で、ベストを尽くして人を殺す。
そこに僅かでもミスがあったら、殺人は無意味なものとなる、と僕は思う。
それが殺人を犯す僕にとってのポリシーだ。
熟考に熟考を重ね僕は……決めた!
左の女の子を殺そう。
サイコパスは、イメージをリアルへと変換する。
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