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――これは、駄目だ。
面接試験が始まってから二十分は経過し、鈴原奈緒子はそう直感していた。
「はい、えー、じゃあ次の質問ですがー……」
受験者用の小さなパイプ椅子と面接官の長机とが対峙するだけの、殺風景な空間に、間延びした声が響いていた。
そんな面接官に、奈緒子は心の中で問い掛ける。
……ねぇ、いくら何でも、もう少しやる気出せませんか?
二十五歳、無職という危機感に追い込まれている現状ではあるが、奈緒子の戦意ゲージはみるみる下降していた。
前の職場を辞めたのは、去年の秋の暮れだった。それから5か月ほどが経ち、季節は春の初めになっていた。
それは、冬眠からの目覚めと似たようなものだった。
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