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貯金を切り崩しながら、無為に無職期間を送ったのち、将来への不安がじわりじわりと心を蝕み始めていた。
これじゃいかんと、クローゼットの奥からスーツを引っ張り出す。こうして奈緒子は、大学時代以来の就職活動を始めたのだった。
一発目の就職試験に選んだのは、隣県にある私立大学の事務職員採用試験。
正規の事務職員を若干名。年齢不問、社会人経験者のみ応募可能だと、募集要項には書いてあった。
書類審査を通過するまでは順調だったが、現実はそう甘くないと、まさに今痛感させられていた。
だって、流石にこれは……
四人の面接官の目が、全て手元の履歴書に向けられている。奈緒子には見向きもしない。
それは、興味を持たれていない裏返しとしか思えなかった。
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