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重荷を抱えさせてしまって、本当に済まなかった。
しかし、私には信頼できる人が航くんしか居なかった。
冷静で理性的、最後まで秘密を貫く事ができ、時には強引にでも状況を打開する、大胆不敵な聡明さ。
その全てを持ち合わせた人間は、航くん以外に思い浮かばなかった。
責任感の強い君だから、この件が解決した後にも、罪悪感に苦しんでいるかもしれない。
今も、自分を追い詰めているかもしれない。
だが、その必要はない。
君は本当によくやってくれた。
これからは、君自身の幸せを第一に考えてほしい。自分のための人生を歩んでほしい。
感謝の思いは伝えきれない。
航くんのことは、孫のように可愛いと思っていた。
私は航くんに出会えて、心の底から幸せだった。本当に、ありがとう。
どうか、無理をしないように。ちゃんと食事をして栄養を摂るように。研究に根を詰めすぎないで、睡眠をとるように。
君がずっと、幸せでいてくれますように。
酒井和俊』
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