もがみがわ

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「まだまだ活字化の出来ていないものが沢山あるからね。ほら、古典籍たちも『早く日の目を見させてー』って泣いてるよ」 あの時から2か月が経ち、最上はすっかり元通りの明るさを取り戻していた。 『秘密の部屋』にあった貴重書たちは、蔵書管理が出来るようバーコードを貼った上で図書館に収められた。これからはもう、不法に持ち出されて悪用される事はないだろう。 最上は、それらの古典籍の翻刻から内容解明まで、今まで以上に熱心に研究に取り組んでいるようだった。 そして奈緒子は、再び最上准教授付に戻っていた。 特別な事は何もしていないのに、何故、それも突然に准教授付へと戻る事が出来たのか。それはきっと最上先生のみぞ知る。
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