もがみがわ

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「ところで、入試の合格発表って今日の正午だそうですね」 「文学部全体としては定員150人強だっけ。新入生の子たちが3年生になった時、優秀な子を何人を日本文学専修へと口説き落とせるかな。俺も頑張らなきゃ」 「最上先生だったら幾らでも口説ける事でしょうね」 奈緒子はぼそりと毒づいた。最上先生が人たらしで女ったらしな件は、ずっと前から知っていたけど。 壁に掛けられた時計の針は、11時40分を指していた。 奈緒子は作りかけの文書を一時保存すると、足元に置いてある鞄を取って立ち上がった。
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