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例えば女性を連れ込むことで、最上先生のモチベーションが上がるのならば、ある意味では『大事な部屋』ということになってしまう。
女を侍(はべ)らせる為の密室空間というパート勢の予想は、強ち外れとは言い切れない。
ただ一方で、研究に集中するための部屋とする芦田さんの説も、有力であることに変わりはない。
若くして准教授というポストに就いていることが、最上先生は研究熱心で優秀な人物であるのだと証明している。
謎まみれな部屋の使い途(みち)は、結局は各々の信じるところに依るのだ。
触らぬ神に祟りなし、と言ってしまうと最上先生に失礼だけど、それに似たような所はある。
秘密の部屋の真相については、放っておいた方が良い。深くは追及しないのが一番だ。
「私、そろそろお昼に行ってきますね」
「あ、鈴原さん。今日は俺お魚の気分」
「承知いたしました」
最初は違和感しかなかった昼食業務も、今ではすっかり慣れたものだ。
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