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「ほら、司書も他のバイトもお前も、最上にとっちゃ、自分が好きに使うための駒でしかないだろ。便利に遊ばれて、最後にポイってな。ぶっちゃけアンタ、性欲処理担当の一人だろ?どうせ替わりは幾らでもいる、奴隷の一人なんだよ」
男は唇に歪んだ笑みを浮かべ、奈緒子の顔を覗き込む。
「なぁ、俺と手を組もうぜ。最上をセクハラで訴えちまえよ」
「……何言ってんですか」
「俺さ、アイツが准教授職から転げ落ちるザマを見てみたいんだわ」
これ以上は我慢ならない。奈緒子は堪らず反撃した。
「これ以上何か仰ったら、貴方のことをセクハラで訴えます。口を噤(つぐ)んでいた方が身のためですよ」
そう言った途端、やってしまったと手に取るように分かった。
男の顔が、横っ面を張られたように驚愕した後、怒りでみるみる紅潮していく。
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