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ズズズズズズズズッ……
そして、確実に音はコチラに向かって来ている。
(ナニっ? 一体、なんなの!?)
ズズズズッ…………
そして……
ピタリと音は止んだ。
私のいる教室の前で──
何かが中に入って来るのかと身構えたが、いくら待てども閉じられている教室の扉は開かない。
「気のせい、だったのかな……」
私は立ち上がった。
その時だ──
「キィィィィミィハぁぁぁぁぁ……ヒィィトリィィィ?」
後から私の耳に、とてもこの世のものとは思えない不気味な声が聞こえたのだ。
声の感じは男のものだと思うが、果たしてコレが人間の声なのかどうかもよくわからない。
「キィミィハァァァっ……ヒィィトォォリィィィッ?」
思わず、後ろを振り返る。
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