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翌日。
私はいつも通り学校に向かった。
校門を抜け、上履きに履き替える為に下駄箱へと向かう。
いつもと変わらない日常。
自分の教室の前に立つと、ふと妙な感覚がした。
ウチの教室だけとても静かだ。
いつもならこの時間、ワイワイ騒ぐクラスメイトの声が廊下にまで聞こえているのに……。
扉も前・後ろ、ピッタリと閉じている。
他のクラスの人と廊下でしゃべっている子たちも見かけない。
一体、どうしたというのだろう?
私は不思議に思いながら、教室の扉を開けた。
すると──
中は、何故か真っ赤だった。
どうしてこんなペンキに塗られているのか、全く理解出来なかった。
一歩、中へ踏み出すと、よくわからない赤と白の塊に躓いた。
「ナニ……コレ?」
ポタリと、上から落ちた液体が頬に伝う。
手の甲でそれを拭うと、それすらも真っ赤だった。私は思わず上を見た。
天井には、私の着ているのと同じ制服が真っ赤になって沢山張り付いていた。
よくよく周りを見渡せば、男子の制服も真っ赤になって壁にべったり張り付いている。
なんとなく形状を保っている頭らしいものが、机の上に一つずつ並んでいるのが見えた。
「アレは……やっぱり夢じゃなかった……」
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