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金を稼ぐといっても、ここのバイト料など、微々たるものであった。
「はい、ありがとうございます。観たい映画は決めました」
では、上映時間を調べておこう。すると、九時の上映であった。
これは、観たいと言いつつも、俊樹は時間で選んだのであろう。
俊樹は、俺に気を使っている。
土曜日を全て潰してしまわないように、早い時間を選んだのだ。
でも、俺は気付かないふりをしておく。
「ええと、映画が終わったら、又、物件の下見をお願い」
俊樹は、今日を最後にここへは来ないと言っていた。
分身を長く出しているので、本体が弱ってきているらしい。
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