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 これ以上、彼のすがたを見ているのが辛くて、畳から腰を上げる仕草にまぎらわせて小さな声でつぶやく。おい、周防、と背中を追ってくる声を振り払うように、周防はわざとぞんざいな口調で投げ捨てた。 「あいつと俺は、単なる腐れ縁以上の何ものでもない──今までも、これからもな」
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