彼女のパパ

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 やあ、十日ぶりだな。イブの顛末はどうだったって。複雑な展開で、どう説明したらいいか、実はおれも迷っているんだ。おまえが混乱するといけないから、最初から順をおって話すよ。  イブの日、おれは仕事もそこそこに店を出て、三十分も早く、唯ちゃんと待ち合わせた駅に着いた。駅前広場に飾られた巨大ツリーを眺めながら、凍えそうになって彼女をまったよ。    約束の時間になり、クリスマスツリーの向こうから唯ちゃんが現われた。小走りに近づいてきて、「待ったあ」と白い息をはずませるんだ。    おれは「いま来たところ」と言ったとたん、大きなくしゃみをし、彼女の笑みがこぼれた。レストランは予約してあると言うけど、どことは教えてくれなかった。 「河合さんにプレゼントがあるの」  唯ちゃんが笑顔を向けてそう言った。  実はおれも用意してあるんだと伝えると、彼女は手を叩いて喜んだ。思い切って指輪を購入してよかったと、そのときは胸がおどった。あとでローンを思い出したけどね。プレゼント交換は席についてからにした。  駅から十分ほど歩き、案内されたレストランはホテルのなかにあった。おれの期待はいやがうえにも高まったよ。       
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