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「はぁ~、危なかったわ」
「……なぁ」
立ち上がり、服をパンパンとして汚れを落とすリナの元に、俺はゆっくりと近付いた。
リナは「ん?」と言いながら俺の方に振り向く。
真実が知りたい。
例えそれが何であろうと、俺は受け止めるつもりだ。
嘘は吐かれたくない。
「リナってさ、前にもこうして俺を助けてくれた事、あったよな?」
「あったかな~? そんな事」
「嘘吐くなよ!! 万里姉達が何度かリナの名前を出しては気まずそうに誤魔化してたぞ! それって、何か理由があるからなんじゃないのか? 俺の行く先々に現れるのは……何か、隠してる事があるんじゃねーの?」
惚けるリナに、俺は捲し立てるように……でも、最後は割りと落ち着いた口調で聞いた。
なぁ……ちゃんと本当の事を聞かせてくれよ。
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