リナと理雄~本当の幸せ~

29/30
前へ
/890ページ
次へ
「色々ってねぇ……まぁ、見回り行ってくれたのは嬉しいけど」 「じゃあ、アタイはこれで帰るな……理雄、言いたい事は沢山あるけどこれだけ……今ある本当の幸せは大事にした方が良いぞ」 “じゃな”と手を振って、リナは帰って行った。 もう、これを最後に会う事はないんだろうな。でももう良いや。 例え何であろうと、多分俺が知って良い事じゃないんだ。 知って……良い事じゃ…… 「悪い、ちょっと部屋で休む」 「え、そう? もうすぐご飯だから、早くおいでよ」 「あぁ、分かった」 不思議そうに首を傾げる万里姉を尻目に、フラフラと部屋へ戻って行く。 そして。 俺は扉を閉めると、壁にもたれ掛かってすすり泣いた……
/890ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加