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「色々ってねぇ……まぁ、見回り行ってくれたのは嬉しいけど」
「じゃあ、アタイはこれで帰るな……理雄、言いたい事は沢山あるけどこれだけ……今ある本当の幸せは大事にした方が良いぞ」
“じゃな”と手を振って、リナは帰って行った。
もう、これを最後に会う事はないんだろうな。でももう良いや。
例え何であろうと、多分俺が知って良い事じゃないんだ。
知って……良い事じゃ……
「悪い、ちょっと部屋で休む」
「え、そう? もうすぐご飯だから、早くおいでよ」
「あぁ、分かった」
不思議そうに首を傾げる万里姉を尻目に、フラフラと部屋へ戻って行く。
そして。
俺は扉を閉めると、壁にもたれ掛かってすすり泣いた……
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