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りなっしーside
「リナちゃん、忘れ物はない?」
「あぁ、大丈夫だ」
「よし、なら出発するぞ」
荷台に沢山荷物を纏めて、勝さんの運転する車でその家を後にする。
アタイはもう、ここには戻って来ない。
理雄の知らない、南の地へ引っ越すんだよ。
そこで秋が一緒に働かないかと話を持ちかけてくれたから、アタイは嫁修行のためにそこで新たな生活をスタートさせる事にした。
元気でな、理雄。
お前の前に姿を現す事はもうないけど、お前はお前でしっかりやるんだ。
それが、男ってモンだろ?
弱くても良い、けど目の前にある幸せを見失うな。理雄には、理雄を支えてくれる沢山の人達がそこにいる。
アタイは、スゲー嬉しい。
嬉しいんだ……よ。
だから、今は泣いても明日から笑顔で生きろ。アタイは理雄に出逢えて良かった。
溢れ出てくる涙を堪えながら、アタイはそう想いを馳せた……
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