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「それにしても、マナたんもまゆゆもほーんと久しぶりだねぇ♪会いたかったぁ♪」
「「痛い痛い痛い!!」」
次に、二人の姿を確認するなりギュウゥとハグし出す美奈子。もはや、お約束の展開である。
暫く頭に顔を埋めて「んー♪」とした後で漸く解放、二人は咄嗟に距離をとった。
「あ、そうだ! ねぇ美奈子姉、一つ聞きたい事があるんだけど」
万里の言葉でガラリと雰囲気が変わる。
しかし、美奈子は一人だけ澄まし顔だ。
「ん? 何?」
「最近、ここら辺で女の子だけ魔女からの被害を受けてるみたいなんだけど、何か知らない?」
「え、何言ってるのおねーちゃん? 私達さっきパトロール行ったけど、何もなかったよ?」
「うん、いつの間にか寝てて気が付いたらここにいたけど?」
まるで、何事もなかったかのように言う二人。これは一体どういう事か。
「あったんだよ真優っ!! お前、魔女に吸われたか何されたか知らねーけど、魔女様ーとか言って倒れてたんだよ!! 覚えてねーのか!」
「覚えてないも何も……ねぇ?」
「何も覚えてない、だと?」
ショックを受ける理雄に、それを見てしかめっ面をしながら首を傾げる二人。
「てゆーか理雄アンタ、テレビの見過ぎとかじゃないの? もしくはゲーム」
「ちげーよバカッ!! 俺の話は本当だって!」
「真優達、あんな事されて覚えてないとか正気なの!? まさか、操られてるとか」
「まぁまぁ、理雄君もまりりんも疲れてるんでしょ。今日は私がアイス買って来たから一緒に食べよー♪」
こうしてこの場は美奈子の言葉で円く修まった。
……この時、“誰か”が何か意味ありげな笑みを漏らしてた事は誰も知らない。
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