Chapter 3
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好きという二文字に、胸を鷲掴みにされる思いがした。綿菓子みたいに心がフワフワになる。別に橘は尚晴を好きだと言ったわけではない。そういう態度が好ましいと言われただけなのに、心臓の音が聞こえそうなほど胸が高鳴っている。尚晴の足元に跪いた橘と、目が合った。変な顔をしてしまっていたのか、橘は首を傾げ、その澄んだ目で問い掛けてくる。尚晴は、一気に顔が熱くなるのを感じた。
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