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尚晴の勤めていた会社は一部上場の食品会社だった。福利厚生も充実していて待遇もいい。だが、来る日も来る日も、同じようなことの繰り返し。挙句、結局、自分のしていることが、具体的に、誰のどのような役に立っているのかイマイチ分からない。仕事だからと割り切ろうとしたが、身体の方が音を上げてしまい、どうにもならなくなった。電車に乗るのが怖くなり、今でもラッシュ時には移動できないし、毎日、外に働きに行くことができない。数日、何とか頑張って外に出られたとしても寝込んでしまう。いわゆるサラリーマンを辞めてから、もう随分になるが、一度、身体を壊すと環境を変えてもそう簡単に元通りにはならないということを痛いくらい思い知った。
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