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橘は合点がいったように、軽くテーブルを叩いたが、尚晴は首を傾げた。
「合コンは行ったことがないので、よく分からないですが……ああいうのは友達と行くんですよね? 婚活のは独り者っていう以外は共通点がない人ばかりです。たまに共通の趣味の人が集まるパーティーもありますけど。一人の方とお話しできるのは、凄く短い時間です。もう慣れましたけど、最初の頃は酸欠になりました」
橘はムースに付いていたプラスティックのスプーンを咥え、首を傾げていた。こういう話になると全然、生活が違うのがよく分かる。それでも噛み合わなさすら楽しかった。
「頻繁に行かれてるんですか?」
「週に一回くらいです」
「そんなに? 知らない女性とそんなに会って何を話すんですか?」
「ああ、参加者は事前にプロフィールカードを書いておくんです。名前、住んでいるところ、血液型、職業、趣味、身長、それに年収まで……」
そこまで話して、橘が頷きながら困惑していることに気が付いた。何度も婚活パーティーに出入りしていると麻痺してくるが、橘のように女性に不自由の無さそうな人からすると、奇妙に映るのかもしれない。
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