Chapter 5

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「ありがとうございます。先生は鍛えてらっしゃるんですか?」 「自転車で移動してる以外には、ジムで泳いでます。下半身を鍛えたいので――ああ、仕事では上半身の方に力を使うことが多いので――マシーンも使いますけど。水泳は身体への負担も少ないのでお勧めですよ」  この辺りの住宅街は坂が多い。特に大きな家は坂の上に多い。橘がどこに住んでいるのか知らないが、地主の家なら坂の上に違いないだろう。自転車移動も結構な運動になるのだろう。 「考えてみます」  そうは言ったものの、自分の貧相な身体を晒すことに尚晴は凄く抵抗を感じる。ジムに通うのはお金もかかる。家の中でストレッチでも始める方が現実的だろう。 「そういえば、外食されるのって珍しいんじゃないですか? 俯いてぽつんと座ってらっしゃるから、どうしたのかなって……」
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