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「海、凄い綺麗でしたね。びっくりしました」 エレベーターに乗りながらも俺の興奮は全くおさまらなくて、正宗先輩はそんな俺を見てクスクス笑い通しだ。 シャワーを浴びるためにボストンバッグから着替えを出し、何気なく部屋の窓から外を見た。 「……………すごい」 そこからは大パノラマで広がる海を一望できた。 「綺麗………」 俺の中では海は紺色だと思ってたけど、水色というか緑色というか、とても言葉では表せないくらいの綺麗な色でびっくりした。砂浜も本当に綺麗で、透明な水がキラキラと光り、波打ち際だけ白く泡立っている。 「俺、この景色が見れただけで満足です」 そう言ったら正宗先輩に笑われてしまった。 1階で降りエントランス横にあるダイニングに入ると、伸也が手を振って合図してくれた。 挨拶をして、料理を取りに行く。全体的に和食中心だが焼きたてのフレンチトーストやパン、サラダ、それに沖縄料理まであり、どれにしようか迷う。 迷った挙げ句、たっぷりの野菜(野菜不足を自覚しているので)、雑穀ご飯、だし巻き玉子、沖縄豆腐の冷奴、ゴーヤチャンプルー、海ブドウの酢の物を食べることにした。 俺達が一番最後だったらしく、光彦先輩はもうデザートを食べていた。 「おはようございます。海凄いですね」 興奮気味に話しかけると、「海がどうかした?」と光彦先輩が不思議そうに首を傾げる。それを見て正宗先輩がまたクスクスと笑った。 沖縄の海の素晴らしさを語り合えないなんて……。 少しがっかりしていると、パイナップルジュースを入れてきた一穂が席についた。 「冬樹、おはよう。部屋から海が見えたんだけどすごく綺麗だったよ」 「そうだよな。俺も見たよ。あんな海見たことないよ」 「うん。色も綺麗だよね。ああいうの、エメラルドグリーンっていうのかな」 一穂はやっぱり、心の友だ。
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