都市伝説 仕掛け呪い・・・

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“呪い”と聞くと、皆さんは何をイメージするでしょうか?日本では 丑の刻(夜中の2時くらいでしょうか?)に藁人形を木に打ち付ける“丑の刻参り”が 有名ですが…私は小説「呪いをかければ…」(MRジェイムズ著)を、真っ先に 思いつきます。これは、外国でも有名な“呪い返し”の話ですが、 現代でも同じような事があるようです。“一つの都市伝説”に実際に遭遇してしまった人と、それに対応した“方法”のお話をしたいと思います… 「担当したマンションで嫌な事があってさ…」 自身のグラスにお店自慢の日本酒を注ぎながら、いささか苦虫を噛み潰したといった感じで、友人の“S”は喋り始めました。不動産に務める彼は、仕事柄、土地や賃貸に関係した 不思議な出来事などの“裏話”を私にしてくれます。例を上げると、井戸のあった土地で 地鎮祭をやらなかった(時々あるそうです。)物件で、床下から生臭い匂いがいつまでも 漂い、借り手がつかない話や、マンションですれ違った女性が屋上に上ったきり、姿を消した事など…ネタに尽きる事がなく、行きつけの飲み屋で、いつも一興を咲かせてくれます。また、彼は学生時代の先輩や後輩に物件を紹介する事も多く、周りから重宝される存在でもありました。これは、その物件を紹介した一人の“後輩”から相談事を持ちかけられた事から始まります…  「あの部屋って、事故物件なんですか?」 少し青褪めた表情の、彼の開口一番はこれでした。事務所では話にくいと、本人の希望も あり、勤務を早めに上がり、最寄りの居酒屋に入ったSは注文を頼む前に、いきなりこう 言われ、いささか面喰いました。後輩は言いにくそうにではなく、担当直入に切り出した 事もあります。普段の彼なら、先輩間の上下関係をしっかり重んじている事ですし、ましてやSの顔を潰すような、失礼な事を言うような性格ではありません。 「いや、特に何も聞いてないけど…確かに築年数は長いし、周りに比べれば古いよ?だけど 家賃だって問題ないし、駅からも近い。いくら後輩だからって、お客さんだぞ? こっちの信用に関わるような事はしないよ。ちゃんと事故物件なら、そう伝えるし、お前の 要望には合う部屋を紹介したつもりだぞ?」
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