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この問題の解決法は至って簡単だとTは言いました。
「“化け物の正体”見たりって奴と同じでな。どうもこの手の呪いは手順が簡易なだけに、解除も簡単みたいだ。まずは触れてしまった呪いの品を酒で清める。次に、その品を持ち主の居住空間から、外に出る入口前に置く。後は盛り塩で入口を固める。すると“呪い”は
お前の方に来る前に、自身の依り代となるモノが置かれている事に気づき、正体がバレた事を知るそうだ。その後は…」
「その後は?」
「呪いをかけた持ち主の元へ返っていく。」
後輩たちは、その意味を察しながらも訪ねる事はできなかったそうです。打ち合わせをした訳ではありませんが、全員で音が鳴る夜中の2時まで待つ事になりそうでした…
「そろそろ、問題の時間だな。」
時刻は夜中の1時50分になりました。時計を見たSが呟きます。音が鳴るまで、後10分。
次の日が休日だというT(恐らく嘘だと思いますが)と、車で来たSには帰りの電車を
気にする必要はありません。玄関前に置いてある“五徳の棒”は、彼らが定期的に玄関を
開けて、所在を確認しているので、誰かに持って行かれる心配はありません。3人とも、
ちょうど話す事もなくなり、ボンヤリとテレビを観ている最中に、それまで黙っていた後輩がポツリと言いました。
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