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あり得ない。大嫌いな蒼馬にすがりつき、口づけを交わしてしまったなんて、信じられない。人間なんかに心を許すことは絶対にないと自信があったのに。恥ずかしくなるほど自分は積極的だった。
今もまだ心臓がどきどきしている。のぼせたように顔も熱いし、蒼馬の唇が触れたところが未だにじんじんしている。認めたくないが、蒼馬の情熱的な告白を心のどこかで嬉しいと感じていた。
またあんなふうに抱き締められたらと思うと怖い。触れられて、口づけられて、自分が自分でなくなるのが怖い。
白縫は誰にも問うことができず、どうすればいいのかもわからず、自分の体を両腕で抱き締め、そのまま小さくなって蹲った。
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