【 17 】R18

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【 17 】R18

 風がやんだ。真っ暗な水面に揺れていた月が、鏡に映したように丸く浮かんでいる。ひらひらと舞い落ちた枯葉が月に落ち、途端、ぱっと波紋が広がった。 「あ……、ぁあ……っ」  乳首をきつく摘まれて、白縫の甲高い声が静かな湖畔に響く。体の奥深くに埋め込まれたものでそこを小刻みに激しくされると、腰が勝手にびくびくと跳ねる。体を動かすたびに水が大きく飛び散り、蒼馬の頬を濡らした。  飛沫を拭うことなく、蒼馬は艶っぽい顔で笑った。 「白縫、今宵はよい声だ。お前の声だけで達しそうだ」 「……う、そ……、はぁ……っ、はあっ!」  いやらしい言葉で煽られて、それだけで白縫のほうが達してしまいそうなのに。息を乱す蒼馬は額に汗を滲ませて、上気した顔は色っぽくてどきどきする。感じるところばかりを責められて、ますます体が熱くなっていく。  温泉を見せてやると連れて来られたのは、以前、蒼馬が話してくれた温泉だった。湖のすぐ側にあるそれは大きな石で囲われており、誰もが自由に浸かれるようになっている。誰もいない夜の雰囲気も手伝って、久しぶりに肌を触れ合わせたことで、一気に気分が高ぶってしまったのだ。  白縫は蒼馬の腰に跨るように座り、下から猛ったもので体を貫かれている。湯の中は心許ない体勢のため、慌てて蒼馬の肩にしがみつくと、中のものを締めつけてしまう。「俺を煽りおって」と情欲に染まった蒼馬に、余計激しく揺さぶられた。 「場所を変えて……、正解だった……、乱れたお前を……、存分に堪能できる」 「なに、恥ずかしいことを――ん……っ」  快感に体を震わせる白縫の唇を、噛みつくように塞がれた。深く口づけられ、潜り込んできた舌が口の中を掻き回す。息苦しさに逃げる舌を捉えらえられ、くすぐられ、絡め取られる。互いの唾液が絡み合い、淫蕩な音を立ててする口づけに、蒼馬の肩を掴む指先に力が入った。 「んん、ん……っ、んぅ……っ」  執拗に舌を嬲られて、口の端から飲み込めきれない唾液が溢れ出る。息苦しさと、口の中を蹂躙される気持ちよさに、頭がぼうっとする。 「白縫……白縫……もう、離さぬ」  蒼馬は狂おしいように告げながら、弄りすぎて尖った白縫の乳首を指の腹で潰すようにされる。こりこりする感覚に、口づけを解いた唇からはひっきりなしに喘ぎ声が漏れ出た。
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