運命の旋律

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「光」 昨日に置き忘れたのかな 明日に会える忘れもの 運命の旋律 もう恋に咲く花は散っていき 残されたものはただの日照 それが沈んでからの仄かな月だ 運命の旋律 何もこの手には残らない 切なさすらも泣くことすらも 運命の旋律 あゝ堕ちる堕ちる どこまで堕ちれば済むのだろう 産まれも悪魔 没するも悪魔 ならばどうして私を産んだ 神はどうして私を誉んだ 運命の旋律 なだれ落ちるように 生活が、生命が、黒ずんでゆく 渦に飲み込まれていくように 運命の旋律 最後の愛すら忌々しくなり 己の心が忌々しくなり もう何も私に誉むものはなく 運命の旋律 私の存在を否定する全ての者よ 世界よ時空よ寂寞よ 悪魔を代表して言おう 誠に我らは不幸であると 求めるべきして求められ 誉れるべきして誉れられ 羽根を与えられ愛を与えられ 最後に奈落に落とされて ただただ己を嫌悪しながら 愛した全てに祟りつきながら 運命の旋律 あゝ悪を代表して言おう 私は壊してしまいたいのだ こんな世界を自分の力で 蔓延るクズ共全てをこの手で この世界を奪う この世界を奪う この世界を奪う あゝそれが 運命の旋律
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