第1章 永遠のヤマトとその真実

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俺には気になる娘がいた。 いつもこの時間に見かける茶色い頭の彼女……密かにチャコと呼んでいる。 ダークな瞳に堅く結んだ唇。 ブラウンに統一されたスリムなラインで颯爽と歩き、すれ違うと甘い香りが仄かに漂う。 仕事は元より毎晩、彼女を見たくて街へ出掛けるのだ。 人目を忍び、明滅するネオンを躱しながら獲物を探していると、通りの片隅に見慣れぬ建物があった。 ローヤルレッドの屋根にオシャレなフランス窓。 よく手入れされた植込みに白いフェンス。 レンガ造りの壁伝いに延びる緑の蔦。 小さなライトが窓辺の美女を浮かび上らせ、入口には芳しき香りが漂っている。 呪いの洋館じゃないかって? いやいや、どう見ても明るく健全なカフェだ。 なんなら、ちょっとだけ冷やかしてみるか。 立ち止まる俺の前を女がスッと横切り、細長い足を館に滑り込ませた。 チャコだった。
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