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すれ違いざま、視線が絡み合う。
「臆病ね」とでも言いたげな悪戯な瞳……。
「冗談じゃねぇ」
慌てて後を追う。
彼女に続いて足を踏み入れた途端、何かに躓いた。
勢い余って一回転。頭から床に叩きつけられた。
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気付いたら天井が見えていた。
ご馳走の乗ったテーブルがある。
大きな窓に美女はいない……
絵画だ。
起き上がろうにも背中が鉄の船のように重い。
俺は仰向けのまま、かろうじて頭を少しだけ入り口に傾けた。
蹲るように倒れているのはチャコだった。
「助けてくれないの?」
彼女の目は訴えていた。
「済まない。動けないんだ」
俺の言葉に茶色い瞳が光を失う。
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