第1章 永遠のヤマトとその真実

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遠くで小鳥の(さえず)りがした。 大きな目玉がフランス窓を覗き、割れるような声が響き渡る。 「きゃーやった!茶と黒、二匹も入ってる!」 洋館は巨大な手に摘まみ上げられ、奈落の底へ……。 「新しいの組み立てて、今度はどこに置こうかな」 バサッ、ドサドサッ 強烈な匂いのする何かが次々に投げ込まれ、 天井は陥没。床は浸水。 激しい揺れの後、ふわりと浮き上がる。 グシャッと音がし、天地がひっくり返った。 薄れる意識の中、俺は叫んだ。 「チャコ、次はきっと人間に生まれ変わろう。 神様、お願いだ。 また、生まれ変わってチャコに……」 最後のセリフはゴミ収集車のエンジン音にかき消された。 了
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