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“バトルドレス”からの逃走
僕、レオナは現在、木箱の中に隠れていた。
そこそこ大きい木箱。
なのでほかにも三人ほどここに入り込んでいる。
「まさかこんな事になるなんて。僕、何も悪い事をしてもいないのに」
そう呟く僕に答えたのは、ミミだった。
「う~ん、悪いのは全部レオナみたいな可愛い子がいたからだと思うんだ~」
「……僕よりも可愛いミミが言うべき言葉じゃないと思うんだ」
「でもレオナの方が可愛いと僕は思うんだ」
「な!」
「だってレオナって、見ているだけで結構あざとい気がするし」
「ど、どうしてリゼルみたいなことを言うんだ!」
[……そういえばレオナはリゼルのものになっちゃったんだっけ。それはそれで残念なような……」
「だ、だから……」
僕はそれに関して言い返そうと思ったけれど、いうのははばかられて黙ってしまう。
リゼルとその、そういった関係に僕達はなってから、速攻でみんなに僕は気づかれた。
なぜって、首にキスマークが残っていたからだ。
リゼルが、レオナは俺の物~、と言って嬉しそうにやっていたので、やめろと言えなかった僕がいけなかったのだ。
あの時、止めていれば僕は、気づかれることもなく……。
いまさらながら悔やまれるその展開を思い出しながら、小さく呻いているとそこでスノーレットが、
「レオナ、あまり大きな声を出さないように。僕達は今、あの鬼畜外道中居る達から逃げているわけだしね」
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