そして私は砕け散る

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 僕は、鮮やかな花弁に覆われた丘の斜面を、両手を広げて走り回る少女に視線を送る。  自由に走り回るマルーンを見るのは、勿論これが初めてのことであった。  二人のマルーンのことを思う。  そして、僕は拾いあげた足枷を撫でる。  幾つかの破片に砕けた足枷。  それを眺めながら、彼女たちが自由になれてよかったと、心からそう思うのだった。
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