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草むらの中を転がった。何が起こったのかわからなかった。
何かは分からないけど、コーちゃんに負けた時とは感じがぜんぜん違う。
「おじさん! なにこれ!」
急いで起き上がると、おじさんに聞いた。
「これが、柔よく剛を制すや」
おじさんは、にやりと笑った。
「柔よく剛を制す! すげぇ!」
思わず叫んだ。『柔よく剛を制す』があれば、コーちゃんに勝てるかもしれない。
「おじさん! 僕に柔よく剛を制す、教えてよ!」
「ええで。でもなぁ、今日はもう遅いから、また明日やな」
そういうとおじさんは、ジャバジャバと沼の中に入っていった。
「明日は休みだから、昼ご飯食べたら来るね!」
そう叫ぶと、おじさんは沼の中から右手を出してヒラヒラと手を振った。
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