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そのとき 彼女の名前が呼ばれた。
マリンは特殊な環境がもたらした奇妙な個人的の余興を一端終わらせ、僅かに残しておいた希望を持って面接室に入った。
ドアを開けるなり、足のつま先から頭の方へと全身を眺めると言う通常作業の男性と目が合い、その彼がマリンを悲惨なものでもみる表情をした。
先入観と被害妄想による脚色は認めるが、お陰でマリンは、戦う意欲が倍増して緊張から解き放れた。
『嵐が起きても蛙は一人で海底に沈むものですか、こんな会社はこちらからお断り。』
彼女は高見の見物客に向かって捨て台詞を放った後、颯爽と出ていくつもりで入室と同時に出口専用を黙視した。
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