新たな隆哉と珍客と 

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「ありがとう隆哉」 彼の言葉に従い伊織はソファへ座り直す。 穏やかに微笑み玄関先へと向かう彼に礼を言った。 玄関へ向かい内側からガチャリと鍵をかけ彼は彼女の元へすぐに戻る。 彼女の隣に腰を下ろしスッと手を伊織の頬へ伸ばす。 自分へ伸びてくる手に抗わず寧ろその手に己の手を重ね自らの頬へと導く。 目を細め嬉しそうにすりすりとその手に頬擦りをする。 ゆらりと尻尾が揺れ、耳がピコピコと動いた。 さっきまで馨がいたため彼女はずっと猫耳と尻尾をしまっていたようだ。
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