新たな隆哉と珍客と 

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珍しいことに彼は今日定時である17時に仕事を上がることが出来た。 何故ならそれはストレスからか新たなモードが確立されようとしている彼を気遣った上司の判断であった。 彼は他の編集者達や上司に挨拶をして早々に仕事場である出版社を後にする。 早く家に帰りたい。 今日は服を買わなくても大丈夫。俺はまだ正常だ。ちゃんと自我もある。 ぶつぶつ己に言い聞かせる姿はハッキリ言って正常ではないのだが今回はツッコミは入れないでおく。 彼は足早に駐車場に行くと鞄から車のキーを取りだしドアを開けて運転席へと乗り込んでドアを閉めた。 家から歩いてでも仕事場へ行ける距離だが何となく今日は車を出したのだ。
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