新たな隆哉と珍客と 

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家から仕事場まで歩いて大体30分くらい。車だと道が混んでいなければ時短出来15分程で着ける。 彼は車にキーを差しエンジンをかける。ミッション車が好きで買ったは良いがとにかく手順が多くて邪魔くさい。 これならオートマチックにしとけば良かったと彼は舌打ちをする。 通常の彼ならここまでガラは悪くない。やはり服を買うという最終段階まではいっていないながらも相当なストレスが彼の身に降りかかっていることが分かるだろう。 しかし彼はストレスが振り切らなければ常識人。どれだけイライラしていても安全運転。 目の前の車がどれだけ遅くとも決してクラクションは鳴らさず後ろから煽らず… 「運転も出来ない奴が乗ってんじゃねぇよ…免許返せ馬鹿野郎…」 車内で呟く一言がどれだけ酷くても大目に見てあげてほしい。 慣れた手つきで前の車を追い越し、そして赤信号にぶち当たる。 彼は更に舌打ちをした。
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