新たな隆哉と珍客と 

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老婆が横断歩道を渡りきる頃、案の定信号は青から赤へ。そして彼は頭を抱えた。 「なんで今日に限ってこんな…!あんまり過ぎる…!」 そして彼は項垂れる。深い溜め息が車内に聞こえた。 「はぁ……くだらねぇ事なのに…なんか…マジで…泣きそう…早く伊織に会いたい…触りたい…」 彼の呟きはまるで遠距離のカップルのよう。それくらいに彼は今日も追い詰められていた。 暫くして信号がようやく…ようやく青に変わる。彼は前方を確認し誰もいない事を確かめるとアクセルを踏んだ。 ようやく家に帰れる。ハンドルを右へと切って程なくすればガレージ付きの一軒家に到着。 神速レベルで車をガレージへ停めるとエンジンを切りキーを抜きドアを開けて鞄を持って車にロックをすると玄関先へと向かう。 車のキーケースに付いている自宅の鍵を差し込み家のドアを開けて中に入った。
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