プロット全文

4/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
佐伯は一方、ソーシャルワーカーに来てもらう。 やってきたソーシャルワーカーの松嶋に、俺は死んだら墓には入らない、遺体は焼いて海にでも撒いてほしい、そのための最低限の金は手をつけずにおいてあるから使ってほしい、と遺言するもので、松嶋は困ってしまう。とにかく丈夫で長生きすることを目的にするよう薦めるが、ムダに長生きしても仕方ないと取り合わない。その上、動けなくなったら放っていてくれなどと言い出す。 松嶋は自分は生活支援のために独居老人の家をまわっているのであって、死に方を承るために仕事しているわけではない、よりよく生きることを考えなくてはといさめるが、死に方も生き方のうちだと佐伯は言い張る。 長生きしたいからラジオ体操したりして鍛えているわけではない、動けなくなったら思い通りに死ぬわけにもいかなくなるからだ。ピンピンコロリといけるという保障などないにせよ、やるだけやるだけだと佐伯はうそぶく。いささかハードボイルド気取りだ。     
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!