プロット全文

8/8

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
奥さんがいない孤独感から命を粗末にするようなしないようなおかしな態度に走っていたのかと晃司は問うが、佐伯は言下に否定する。しかしそれは傍目には強がりにしか見えなかった。 争いのような争いでないような、晃司を世話しにきたのか絡みに木田のかくわからない一夜が明け、二人は一緒にラジオ体操に行く。 この時、初めてきちんと佐伯は晃司と並んで最初から最後まで通してラジオ体操をやるのだった。 ほどなく、牧子が退院して戻ってくる。 いくらか反省した晃司は自分から家事をしようとするが、牧子の方は今まで同じように世話やくのはイヤだ、自分のことは自分でするのが当たり前だと特に何も言わない。いくらかは褒めてもらえると思った晃司は、ひそかにがっかりする。 松嶋はいやいやながらまた佐伯の住居を訪れる。 佐伯は少し態度を改め、前に書いた縁起の悪い遺言状を破り捨てる、と思ったらまた新しく松嶋の言う「前向き」な遺言をしたため始めるのだった。 <終>
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加