...

3/3
前へ
/3ページ
次へ
 なんて思っていたらすっかり定時は超えていた。急な仕事が入り、残業――よくあることだ。  そこで神様女神様の彼女。私も手伝うよ、と言ってこんな遅い時間まで残ってくれた。 「ねえ、佐藤さんって私の名前知ってる?」  仕事が終わったであろう彼女が不意にそんなことを聞いてきた。勿論、当り前ではないか――……  ―――――…  …  ?  あれ、何だっけ。 「佐藤さん?」  あれ、こんな人うちの会社にいた?いつから?  いつ…入社した?  ――…? 「思い出してよ、貴方の親友の名を」  途端視界が暗転する。そして頭が妙に冴えわたって行く。 ――ああ、そうだ、彼女は私が昔殺した親友だ。  綺麗で美しいかのじょを――わたしは。 「――佐藤さん、私はあなたのこと、好きだったのに」  彼女の悲しい声が聞こえた end
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加