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3.叶わなかった同窓会
そんなKが電話ボックスに入った。同窓会計画開始。受話器を取り電話をかける。話出す。つながったようだ。
時折笑顔が混じるようになってくる。どうやら、本人と話せているらしい。
Iと、本人と話せてるみたいやなと話会い、安心していた。。。が、異様に電話が長い。
「同窓会を計画したいから、女子のまとめをお願いしたい。」
伝える内容はこれだけのはずだ。5分あれば十分である。しかし、10分。。。20分。。。30分経ってもKは電話ボックスから出てこない。
「長ないか?」
Iが心配そうに言う。
「うん。長すぎやろ。あいつ何話してんねん。」
僕も心配になった。
しびれを切らした僕たちは車を出て、電話ボックスへ向かった。僕たちが近づいていることにもKは気付いておらず、真剣な顔で話していた。電話ボックスのすぐ近くまでいき耳を近づける。。。
「やっぱり、あかんかな。。。オレじゃ、、、やっぱりあかんかな。。。」
こいつ。。。告白してるし。。。絶望的な気分になった。Kに任せてしまったことを激しく後悔したがもう遅い。ここでKが振られてしまったら終わりだ。
もう上手くいってくれることを願うしかなかった。が、Kの表情を見る限り、望みは薄そうだった。
しばらくしてKが出てきた。その表情から結果は聞くまでもなかった。
「あかんかった。。。」
「いや、あの、同窓会は?」
僕が聞く。
「やっぱり、おれやったらあかんみたいや。。。」
「いや、同窓会。。。オレらの同窓会は?」
Iが重ねて聞く。
「何が、、、何があかんねん!!」
「あの、、、どうそうかい。。。」
僕とIは絶望的な気分でそうつぶやいていた。。。
公衆電話から勢い余って告白してしまうほど情熱的な男、K。彼を交渉の場に立たせた時点で、この夜の僕たちの計画は破綻していたのかもしれない。。。
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