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みんなでアイスを食べた後は、近くのゲームセンターに行き、プリクラを撮った。プリクラはあんまり好きじゃない。普通の写真も好きじゃないけれど、誰でも可愛く細く撮れるようになっているはずなのに、私のブスさは隠せないのが嫌だから、プリクラの方が写真よりも嫌いだった。
もちろん美香はとっても可愛く映っている。その隣の私が同じ人間で同じ制服を着ていて同じ性別だとはとても思えないくらいに。京子も沙紀も、かわいい。私だけがデブでブスで最低だった。皆が落書きをしてはしゃいでいる間、私は本当に憂鬱で憂鬱で憂鬱で消えてしまいたいと思っていた。私には女子中学生として生きる権利がないんじゃないかと思った。
みじめだった。このみじめな気持ちを慰めるためにはおいしいものを食べ続けるしかないというのも経験上よく知っていた。
みんなと別れて帰宅後、私はお母さんの特製カツカレーを三杯おかわりした。とってもおいしかった。アイスを食べなければ五杯いけたと思う。お母さんはにこにこして、カツをもっとたくさん揚げておけばよかったわねえと言った。
お母さんも私と同じで太っている。でもブスではないと思う。なんで私だけがブスなんだろう。お父さんも普通だし、お姉ちゃんは美人なくらいだ。お姉ちゃん曰く、私はお父さんの団子鼻とお母さんの小さく細い目を受け継いだからブスなんだそうだ。ひどい話。お姉ちゃんはお父さんの二重瞼の大きな目、お母さんの高い鼻をもらったのに。私だけ。
どうして私だけ、皆と違うんだろう。
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