4人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなことを考えていたら、なんだかむかむかしてきた。
食べたくもないアイスを食べたことも、可愛く撮れないプリクラも思い出してしまう。そして先生のことを思った。先生は誰にでも平等で優しいし厳しいけれど、先生だって可愛い子の方が好きに決まってるんだ。
むかむかするとお腹が減る。直前にカレーを3杯、カツを3枚食べていたとしてもだ。何をどれだけ食べても満たされる気がしない。
自室のベッドに転がって、大好きなSNSを開く。検索窓に、美味しい、と打ちこむ。目に飛び込んでくる様々な食べ物の画像と、美味しいという文字。知らない人たちのつぶやき。
目に止まったのは肉まんだった。今年はまだ食べていない。「肉まん美味しい!」というアニメアイコンのつぶやき。テーブルのうえに肉まんが3つ並んでいる。いいな。私も肉まんが食べたくなった。3つもいっぺんに食べる人がいるんだもん、私だって食べていいはずだ。
私は自室を出た。マフラーを巻いてパーカーを羽織ったところで、帰宅直後らしい姉に出くわした。
「千代どこかいくの?」
姉は可愛らしい声で私に尋ねる。私はコンビニにね、と小さな声で返事をした。
「コンビニ?じゃあ頼まれてくれる?レモン買ってきてほしいの。国産のやつじゃなきゃダメよ」
「えー、レモンはスーパーにしかないじゃん」
コンビニよりスーパーのほうが遠い。大分歩くことになってしまう。無駄に動きたくない。寒いし。
「カツカレー、何杯食べたの」
最初のコメントを投稿しよう!